研究室紹介森山研究室Laboratory

教員紹介

森山 裕幸H.Moriyama

身分: 専任教授
専門分野:材料力学、音響工学

研究テーマ

  • 薄肉構造の構造振動と内部音場の連成
  • 薄肉構造の音響放射特性に及ぼす内部減衰の影響
  • 立体フレームの振動・強度特性

研究内容

当研究室では構造と音場の連成振動に着目し、理論と実験の両面から研究を行っております。構造は代表寸法に比べて肉厚の小さいもので、例えば自動車、鉄道、航空機等の輸送機械の外殻や、備蓄タンク、化学プラント等に用いられる容器、つまり薄肉構造を想定しています。構造振動と内部音場は独自の固有振動特性を有しておりますが、連成現象は構造と音場がお互いに影響し合うことで個々の特性から予測できない挙動を誘発し、異常振動等の原因にもなります。一方、このような共鳴現象で増幅された音響エネルギーの応用技術は自動車用内燃機関における共鳴吸気システムとして実用化され、また音響冷凍のような新たな分野でも注目されています。そこで当研究室では連成振動のメカニズムを解明し、このような薄肉構造における異常振動の回避あるいは騒音の抑制を研究目標としていますが、音響エネルギーの有効利用という観点からも研究を遂行しております。

実験装置

解析結果

研究実績・成果

薄肉構造が点加振力等により振動している場合、それらにより拘束されている内部の音場は構造振動との間でエネルギーが授受され、両系間において連成を生じることになります。本研究では構造的にも音響的にも剛体の円筒構造の端部に弾性板を配置し、弾性板支持ばねのばね定数を変化させることで、様々な支持条件の想定を可能にした非常に汎用性の高い解析モデルを用いています。その結果、連成現象を促進させる条件[1]、[2]、非周期運動における連成現象[3]、連成現象に及ぼす加振位置の影響[4]、円筒構造を円形板で区切ったときの2音場における連成現象[5]等を明らかにしています。

[1] 森山裕幸,日本音響学会誌,58巻6号,338-345,2002.
[2] 森山裕幸,日本機械学会論文集C編,69巻679号,603-610,2003
[3] H. Moriyama and Y. Tabei,Journal of Visualization,Vol. 7 No. 1,93-101,2004.
[4] H. Moriyama, Y. Tabei and N. Masuda,Acoust. Sci. Tech.,Vol. 26 No. 6,477-485,2005.
[5] 増田直也・森山裕幸,日本音響学会誌,62巻1号,23-31,2006