熱音響エンジンは熱入力から音波を発生させることが出来ます。音波、即ち「振動流(の音響パワー)」を「電力」に変換するためには直線運動から電力を取り出すことができるデバイスが必要になります。振動流を電力に変換するためには、以下の図のように磁石をコイルの中で振動させること電磁誘導によって発電するリニア発電機が頻繁に使われます。リニア発電機は板バネなどによって可動子の中立と共振を保ち、摩擦部が無いために、振動流→電力の変換効率は70%以上を実現できます。このリニア発電機と熱音響エンジンを連結することで熱を用いた発電が可能になります。
また近年では、双方向タービンという、振動流を回転運動に変換し通常のモーターで発電するデバイスも熱音響発電への適用が検討がされています。タービンブレードは3Dプリンタなどでも作れるため、安価に熱音響発電機を構築できる可能性があります。
手軽に熱音響発電を実現したい場合は、熱音響エンジンと、市販のスピーカ(ボイスコイルモーター)を接続することをお勧めします。熱音響エンジンとうまく接合すると(※詳細は省きますが異なるデバイスを音響接続するためには比音響インピーダンスと流速振幅を同等にして接合する手法が用いられます)以下の動画のようにLEDを光らせることができます。
装置内部を加圧し、大型のリニア発電機を接続することで出力を向上させることも可能です。先行研究ではkW級の熱音響発電機も実現されています。